アスベストLV3時の養生作業ポイント
「どこまで養生すべきか」判断基準

結論から言うと、レベル3の養生範囲は
粉じんが“落ちる・付く・移る”可能性がある範囲まで
です。
これを 5つの判断軸 で決めます。
① 作業方法で判断する(最優先)
| 作業内容 | 養生範囲の考え方 |
|---|---|
| 手ばらし・割らずに外す | 作業直下のみ |
| ビス・釘外し | 作業直下+周囲1〜2m |
| カッター切断 | 作業直下+周囲2〜3m |
| 破砕・欠き | 🚨レベル3不可(2へ格上げ) |
| 電動工具 | 🚨原則NG(使うなら密閉養生) |
「切る・削る・割る」ほど養生は広げる
② 高さ(落下距離)で判断する
落下距離が長いほど養生拡大
| 作業高さ | 床養生範囲 |
|---|---|
| 床〜1.5m | 作業範囲+1m |
| 天井(〜2.5m) | 作業範囲+2m |
| 吹抜け・高天井 | 作業直下全面 |
※ 高所ほど「粉じんが拡散する前に落下」するため、
床養生は必ず広めに取る
③ 周囲環境で判断する(第三者リスク)
| 周囲状況 | 養生判断 |
|---|---|
| 閉鎖された室内 | 最小限 |
| 他業者が同時作業 | 養生拡張 |
| 共用廊下・店舗 | 壁+開口部養生 |
| 居ながら工事 | 簡易隔離(シート囲い)必須 |
| 外部(通行人) | 防炎シート・養生囲い必須 |
人が近いほど養生はレベル2寄りに
④ 建材の状態で判断する
| 状態 | 養生レベル |
|---|---|
| 健全・割れなし | 標準 |
| 劣化・欠けあり | 拡張 |
| 粉化・脆化 | 🚨レベル2へ |
| 水濡れ跡あり | 拡張(崩壊注意) |
※ 同じレベル3建材でも劣化具合で判断が変わる
⑤ 行政・監督視点で判断する(重要)
次の質問に「YES」が1つでもあれば、
養生を一段階上げるのが安全です。
- 粉じんが他エリアへ移動する可能性があるか?
- 清掃せずに元の状態に戻せるか?
- 写真で見たとき「飛散しそう」に見えないか?
- 第三者が「不安に感じる」状況ではないか?
監督・労基は 結果より「見た目の安全性」も重視します。
判断フロー(現場用)
① 割らず外せる?
└ NO → レベル2へ
② 電動工具使う?
└ YES → レベル2へ
③ 劣化・粉化している?
└ YES → 養生拡張 or レベル2
④ 周囲に第三者がいる?
└ YES → 壁・開口部養生追加
⑤ 落下距離が長い?
└ YES → 床養生拡張
現場で「これやっておくと強い」養生

- 床養生は 立ち上げ300mm以上
- 廃材搬出動線も養生
- 扉・サッシは必ずシート
- 養生範囲を写真で記録
- 「必要十分に養生した理由」を説明できる状態
よくあるNG判断
- 「レベル3だから養生なし」
- 「粉は見えないからOK」
- 「少量だから大丈夫」
- 「元請が何も言わなかった」
すべて是正対象になりやすい
まとめ(判断の物差し)
レベル3養生の判断基準は
粉じんが
落ちない・付かない・移らない
と説明できる範囲まで
これを
作業方法 × 高さ × 周囲 × 劣化 × 第三者視点
で決める。

